暫定的なミアレの旅パのお話
・世界観
大都市ミアレでは街全体をトレースした仮想空間で行われるロワイヤルアバターバトルが大流行していた。ただの娯楽に留まらず国政とも提携し、最上位ランカーは主催企業や行政から法の範囲内で望む褒賞が与えられるとの謳い文句に、今や街の住人老若男女問わずロワイヤルバトルに挑んでいる。
また、上位ランカーたちのバトルは配信もされ、その勝敗に賭けることができたり、バトルに不参加ながら己が好む容姿のバーチャル体をデザインして交流するなど、ミアレはこのバーチャルゲームでどんどん栄えていっている。
・後々考える用語
仮想空間→ミアレの街そっくりに作られたバーチャル空間。参加用デバイスは役所で貰えてアプリをダウンロードすれば入ることが出来る。身分証明書が必要。現実そっくりの仮想現実空間を舞台にした没入型VRオンラインゲームって表現が一番手っ取り早いかも。
ロワイヤルバトル→カスタムしたアバターで戦って相手を戦闘不能にしたら勝ちのシンプルな仮想空間の催し。空間内の事務局でエントリー可能。勝率によってランクが設定される。幻の最上位ランクまで勝ち進めば運営と行政から素敵なプレゼントを配布されるらしいが、最上位ランカーの話は未だに出ていない。なお参加強制ではない。
アバターコイン→仮想空間内で使えるコイン。ロワイヤルバトルや、上位ランカーの配信試合の賭けなどで増やすことが出来、新しいアバターや整備に使える。リアルマネー課金換金も出来るので違法譲渡や転売など問題も多い。セレブは初手から強い。なおコインに関する規約違反は厳しめにあって垢BANされる。
・ストーリー
曾祖父の遺産として彼の所得している古いホテルの権利を渡されたカメリア（メガニウム♀）はホテルの売却と観光目的でミアレに訪れる。しかし、当のホテルは全く売れそうにない幽霊屋敷のようなオンボロさで、彼女を出迎えたのは曾祖父を恩人と仰ぎ一人でホテルを切り盛りしていた少年ノワ（ピジョット♂）のみだった。
ノワはカメリアに一緒にホテルを立て直して欲しいと泣きつく。生来人のいいカメリアは熱意に押されて全く不慣れな支配人になるのだった。
ミアレは仮想現実体験を売りにした華やかな新興都市である。宣伝をするにも資金を稼ぐにも仮想空間活動が物を言う。バトルはしなくていい、少しだけコインを稼いで運営資金に、華やかなアバターで人目を惹けば宣伝に、とノワに押され、もともと観光客としてロワイヤルで遊ぶ予定でもあった彼女は仮想現実空間に降り立った。そして本人の望むところではない展開で初心者狩りに会い、次第にロワイヤルバトルに巻き込まれて行ってしまう。
ホテルの唯一の客だったアドニス（カエンジシ♂）は、ミアレに沈むとある「遺産」をランクAになることで行政から奪うためバトルに参加していた。一度仮想現実内でカメリアたちを圧倒的な実力で下すもの、の後ホテルのあまりの経理の杜撰さを知り一喝、二人に泣きつかれて暫定で手伝わされる羽目になる。
次第に仮想現実内でホテルの名が売れてきたころ、就労ビザ欲しさに清掃員の面接をうけにきたラディ（ルチャブル♂）。何か別の目的がある様子だが、年長者としてホテルの立て直しを補佐し見守っている。
トレーフル（オヤブンライボルト♂）は元花形上位ランカーだったが、暴走バグ事件により失脚、リアルの世界にも影響を受け失意にいた。アドニスとのバトルに敗北した後カメリアにスカウトされ、復帰までドアマンとして働くことに。
そして仮想現実は現実を侵食しはじめ、リアルの世界が塗り重ねられていくという謎の事件が発生する。上位ランカーの中でも選ばれた者しか得れないというM-Gアバター、それを装備したものが次々に現実と仮想の境界を喪い心が壊されていく、所謂暴走バグ事件も並べて発生していくのだ。
その頃にはすっかりロワイヤルバトルの根幹に立っていたカメリアたちは、街の平和を守るためにこれらの事件を調べ始める。アングラ組織、探偵事務所、運営事務所、様々な協力を経て、彼女たちは真相にたどり着き、Aランカーに上り詰めてホテルを大繁盛させることが出来るのだろうか？畳む
